詳細を閉じる
お題で小説書いったー
お題で小説書いったー
1月のお題は「うさぎ」「せいじん」「おみくじ」の3つになります。
(お題どれか一つ、または組み合わせてもかまいません。)
月毎にお題が変わる(予定)の小説書いったーになります。
420文字以内でひとつのお題の小説を書きたい読みたい人向け
・一次創作のみでお願いいたします。
・ジャンルは冒頭か返信部分に書くとわかりやすいですがなくても問題ありません。
・お題が同じという都合上、ネタ被りは問題ありません。
(明らかに意識して真似しているモノはNG)
・同じお題で同じ人が何度も投稿するのも制限しておりません。
※現在、改行を使った420文字小説の場合、文字数オーバーでエラーが出るようです。
お手数をおかけしますが、文字数だけではなく改行も1文字とカウントして420文字以内になるよう調整して頂けると助かります。
(お題どれか一つ、または組み合わせてもかまいません。)
月毎にお題が変わる(予定)の小説書いったーになります。
420文字以内でひとつのお題の小説を書きたい読みたい人向け
・一次創作のみでお願いいたします。
・ジャンルは冒頭か返信部分に書くとわかりやすいですがなくても問題ありません。
・お題が同じという都合上、ネタ被りは問題ありません。
(明らかに意識して真似しているモノはNG)
・同じお題で同じ人が何度も投稿するのも制限しておりません。
※現在、改行を使った420文字小説の場合、文字数オーバーでエラーが出るようです。
お手数をおかけしますが、文字数だけではなく改行も1文字とカウントして420文字以内になるよう調整して頂けると助かります。
このTterはアーカイブのみ閲覧できます
何気ない朝。目が覚めて天気でも見ようかと窓を開けても、見えるのは空を埋め尽くすように浮遊する無数のクラゲだった。
絵で描かれるような、真っ白で丸い頭(?)にヒラヒラと足(?)をくっ付けたクラゲが世界中に発生したのは数ヶ月前の事だ。毒はないらしいが、電柱に引っかかったり人間や犬猫の足を滑らせたりと害はあるその存在はエネルギーにも替えられない。
ただ掻き集めて棄てるだけのクラゲを意地でも食すためのメニューは日々SNSでバズっている。
「でも美味くもねぇんだよなあ」
窓の縁に引っかかったそれを指でつつけば奇妙にぶにぶにとした感触がする。
結局それを摘んで自室からリビングへ続く階段を降りる一連の流れも慣れてしまった。自治体が配布したクラゲを廃棄する専用のゴミ袋に捨てる後ろで、家族が付けたテレビからニュースキャスターの声が流れる。
《――相次ぐ不審死 新法解剖の結果、胃の中には大量のポリ袋の破片が……》
後輩が昼飯の中華丼を食べながら話しかけてきた。
「キノコだよ。」素っ気なく答える。
「マジっすか。黒いクラゲもいんのかなって。キノコっすか。ヤバいっすねw」
何がヤバいのかわからない。
「じゃ、ごちそうさんっす。お先っす!」
一人でベラベラと喋り、さっさと去って行った。
ようやく静かになったし、ゆっくり食うか。
…クラゲか。
アイツも好きだったな。
水族館に行くと水槽の前にへばりついて、ずっと眺めてたっけ。
何が面白いのか俺にはわからなかったが、ウットリした顔で見ていてクラゲに嫉妬したんだった。
初デートが水族館なんてベタ過ぎるけど今となっては良い思い出だ。
…なんて黄昏れてる間に飯も食い終わった。
よしっ今度の週末は久しぶりに水族館でも行くか!
アイツも何年も行ってないもんな。
子ども達も初めてだし、喜んでくれるといいな。
「これがクラゲだぞ。」って言ってもまだわかんねえか。
…ごちそうさまでした。
海中を思わせる薄暗い館内に大きな水槽。私は水族館を訪れていた。
近年は海月が密かに人気を集めている。
丸みを帯びた優しげなフォルムに、透き通る体。揺蕩うように海中を泳ぐ姿はさなかがら海の妖精のようだ。
水族館側も海月の幻想的な魅力を理解している。照明は青や白だけなく紫や桃色といった多様な色彩でライトアップし、美しい雰囲気作りに注力している。
私は見惚れるように水槽に吸い寄せられる。
海月は私のすぐ目の前を通り過ぎた。
ゆらゆらと伸びる長い触手。
透明な傘の内側は無数の触手が蠢いている。
思わず目を背けた。
じっと見ていると少し怖い。
水槽の脇にある解説文に目を通す。
脳も心臓も無い。血も通っていない。
代わりに全身に神経が張り巡らされているそうだ。傘の躍動は栄養を巡らせるための運動に過ぎない。
水槽に目を戻す。
そこにはグロテスクな触手を揺らす海月が、怪しく傘を蠢かし、青や紫のライトに照らされながら不気味に漂っていた。
ミス研の先輩、夏休みは部室で執筆
多忙な先輩のかわりに
僕が買出しへ行った。
扉から叫び声。
「暑い、海行きたーい
謎解きしたーい
ミステリーツアー行きたーい
出会いは春。大学へ行くと
美しいカミをもつ人から
声をかけられた。ミス研の人で
マネージャーがほしいという。
ミス・ユニバースが頭に浮かぶ。
たしかにモデルのようだ。
海辺で撮影をしてきたという。
下心に負けて部室に行く。
扉の向こうは
ミステリー研究会だった。
僕はアイスを出し、無言で渡す。
先輩は笑顔だ。
「気がきく!暑いからね。
美味しい、ん?
先輩の動きが止まる。
「な、何これ。まさか、あなた
「名物越前クラゲ入アイスです。
先輩。食べたら続き、
書いてください。今日中ね。
僕はこうして
やっと原稿を手に入れた。
「暑い夏、海へ行きたい
謎解きしたい貴方へ!
ミステリーツアー
最終ヒントはアイスの中に!
※現地駐車場で
お召し上がりいただます
海中で見るそれは、時により癒やしとなる。
今見ている場所は水族館でのそれだけど。
仕事に追われているからか、時々彼らが羨ましくなる。
彼らのように、自由に海を、流れるままただ揺蕩うだけの生き方が出来たら…と。
ただ、彼らは如何なのだろう?
彼らも、もしかしたら自分達のように海の外に出て、思い切り空気を吸えるだけの生き方が出来たら…と、思っているかも知れない。
有り得ないな、と思いつつも、恐らく彼らにも彼らの苦悩があるのかも知れないとも思った。
自分にとって、彼らが励みになるように。
彼らにとっても、自分達が励みになれたら。
水族館を出た頃には、空の天気のように妙に晴れやかな気分になった、そんな八月の束の間の休息。
見ての通り地上で暮らしてる。海ではない。
何を考えてこの名前をつけたのか、理解に苦しむ。
ちなみに妹の名前はイルカ。
クラゲとイルカって…。ホント、意味わかんない…。海の生物じゃないってば。
仲の良い家族だけど、実は私たち姉妹とは血の繋がりはないの。
でもね、ママもパパも大好き。お兄ちゃんも優しいし、猫のソルトは甘えん坊。
いつまでもみんなと一緒にご飯食べて、遊んで…
「クラ!イル!お散歩いくよ~!」
お兄ちゃんが呼んでる!
あたしと妹は抑えきれない興奮を尻尾に託してお兄ちゃんの元へ駆け寄った。
私はくらげについて研究している。
高校生の頃、私にはなんでもできるわけでは決してないけれどとても優しい彼氏がいた。彼がなぜ私なんかのことを好いていてくれたのかはわからないままだ。
ある日、彼と一緒に海に行った時くらげに噛まれそうになっていた私に気づき、咄嗟に私を抱え上げ代わりに自分の足を刺されたのだ。
そう、そして彼は命を落としたのだ。
もともとくらげのアレルギーだったのだろう。
そして私は彼の命を奪ったくらげがまた誰かの命を奪うことがないように、守れるようにくらげの研究をはじめた。
そしてくらげに費やした年月は彼が生きた時間をこえた。
けれど彼らに愛着がわくことはなかった。
私はくらげが嫌いだ。
暗い空間の中神秘的に輝く水槽をぼーっと一人眺める。
カップルや家族連れが多い水族館の中で孤独に溢れた私は異質な存在。
孤独に怯えつつも周りを近づけることができないから。
そんな私には最近気になる人がいる。
日曜日ならどの時間に行っても必ずくらげの水槽の前に静かに佇んでいる棒のように細い男の人。
一度だけ目があったことがある。
そう、あの人の瞳もそうだった。
私と同じ、孤独から身を守るために毒をもった瞳だった。
あの人は、なぜくらげの前にいるのだろうか。
幼い頃くらげも毒をもっているときいたことがある。
あぁ、そうか。
私もそうじゃないか。
私があの人に惹きつけられるのと同じようにあの人もくらげに惹きつけられているのだ。
似ているようで違う、それでいて自分のことですら受け入れてくれそうなくらげに。
特に話すこともないのだけど、一緒に月を見上げて綺麗だなんだとたわいもないことで愛情を確かめ合っていたのかもしれない。
いや、そんな大袈裟なものじゃないか。
君が隣にいる、それだけで私は幸せなのだ。
君はどう思う?なんて恥ずかしくて言えやしない。
こんな意気地無しな私を許してほしい。
今日もただ、側にいて、君の顔を見ているだけでいい。ずっと側にいてほしい。
「はじめまして」
ニコッと微笑んで、私のことなどスッカリ忘れて、私に優しく手を添える君のことが、今でも大好きなんだ。
時間が許す限り、一緒にいてくれるね。
君は私の大切な人だからー。
クラス替えで隣の席になった男子に声をかける。
「…」
え。無視ですか?戸惑う私。許さないぞ、お前。名前覚えたからな。私が殺気を出しているのをみて周りの席の人はあーかわいそうにという目を向けてくる。ただひたすらに怒りが込み上げてきた。
しばらくして私は気づいた。あいつ、無表情くんだな?笑ってもニヤリくらいのレベルだ。
ひと月たち、体育祭の種目決め。あ、あいつ大縄出ないといけないじゃんけんしてる。いっそ負けちゃえ。
そう思った瞬間、あいつはじゃんけんに勝っていた。
そして満面の笑み。勝てた!って友達に飛びつくあいつ。
嘘だ、あんな顔もできるなんて。
私の初恋が奪われた瞬間だったんだ。
あなたの知り合いとは、小学生の頃に何度も会った事はある。
しかし、あなたは知り合いの近くに居たのに、お互い気付かず出会えないまま数年が過ぎた。
数年後、私はようやくあなたを知った。
印象は見た目も性格も、如何にもチャラチャラした感じと分かるから最悪だった。
あなたの知り合いの印象も変わっていて、すぐに知り合いだったとは分からなかったけど、よく見ればやっぱり知り合いだったし寧ろいい感じになっていた。
あなたは、その真逆と言ってもいい存在だった。
けれども、ある時あなたのふとした所作をずっと眺めているうちに、私はあなたに惹かれていた。
あなたに恋していた。
告白する勇気も出せず、表向きはあなたの一ファンとして追っていた。
それから月日が経ち、またあなたに会える日が訪れる。
その時、初めて勇気を出す。
「あなたの事が、ずっとずっと好きでした」
「これからも、ずっとあなたが好きです」
届く事は無い、と分かっていても。
最初は隣に越してきた一家の女の子だった。
母親にそっと背を押されては恥ずかしそうにはじめましてと挨拶する少女を俺は幼心ながら可愛らしいと思った事を覚えている。
次は中学時代の転入生だった。
海がある街から来たのだという彼女は、緊張した様子で自己紹介をした後、何故か俺の方を見て笑いかけてきた。その顔をよく覚えている。
次は大学時代に参加したサークルのメンバーだった。
控えめな態度ではじめましてと転がす声は、小説で見かけた表現を借りれば真珠のようだった。
真面目だった彼女はその内通学しなくなった。彼女は何れも引っ越しなどで縁が切れた後新しく現れるのだ。
次の縁はどうなるのか不安に思った俺は、彼女と再び出逢う前に出会った女性と結ばれた。打算的だったとはいえ、優柔不断な俺の背を押してくれる妻の事を愛している。
やがて妻は子を宿した。
「抱いてあげて……」
妙な確信があった。この子は“彼女”だという。
「ああ……はじめまして」
研修中、爽やかな微笑みがイケると女子にまたたく間に知れ渡り、昼休みは彼の話題でもちきり。初日からあだ名がついた。ジェントルマン。
数日後、デスク配置。自分用のパソコンに丁寧に挨拶をする彼『ハジメマシテ』。カワイイと盛り上がる女子。男子は冷ややかな視線。しかし、事態は急速に変化する。彼は全てに挨拶をするのだ。ボールペン、電卓、文具のみならず缶コーヒーまで。態度を一転する女子。束の間のモテ期と嘲笑する男子。彼は飲み仲間からは外された。
職場での彼は穏やかで仕事が真面目。私たちは自然とつき合い、結婚した。
あれから50年。認知症。物忘れが多くなる一方、彼の挨拶は変わらない。私のことを忘れた時、涙が止まらなかった。彼はいつも応えてくれる。『ハジメマシテ』私は今でも彼が大好きだ。
突然、知らない女性から声を掛けられた。全く知らない──はずだったが、彼女の顔を見た瞬間、僕はハッとした。
「もしかして、小説書いったー民……?」
「うん。君もそうだよね?」
「あ、はい……。驚いた。本当に分かるものなんですね」
「ふふ。正直、私も吃驚してる」
小説書いったー民かどうかは、顔を見ると分かる──。いつの頃からか、インターネット上でまことしやかに囁かれるようになった都市伝説だ。噂は所詮噂だと鼻で笑っていた僕は「事実は小説よりも奇なり」という言葉を思い浮かべずにはいられなかった。
僕達は小説書いったーの話で大いに盛り上がり、しばらくしてから別れた。
同志と語り合えた喜びから浮かれ気分で歩いていた僕は、ふと、前を横切った男性の顔を見てハッとした。居ても立っても居られない気持ちになり、僕は男性の背中を追い掛けると、
「はじめまして。小説書いったー民の方ですよね?」
説明欄にこう書いた方がいいなどのご意見や何かありましたら気軽にこちらに書き込んで頂けると嬉しいです。
小説書いったーもよろしくお願いいたします。
7月のお題は「はじめまして」になります。
お題があった方が書きやすい方に書いて頂いたり、
一つのお題でいろんなお話を読みたい方に読んで頂けるものになると嬉しいです。